今朝数年前からの友達のメールが届いた。きっかけは大変悲しいことで、私の恩師Professor Peter Liptonが亡くなったとのお知らせだった。リップトン氏はまだ53歳だったので、本当にショックだった。リップトン氏は、ケンブリッジ大学の科学の歴史と哲学(HPS)の学部の部長で、教授であった。そして、私の博士の研究を指導してくださった方だった。恩師は形式的に使われているが、リップトン氏に本当に恵まれた。
初めて出会ったのは、物理学から哲学に転学する時だった。リップトン氏が私のコレッジのためにHPSを管理したので、変わる為に彼に指導受ける必要があった。そして、学士号、修士号、博士号の時ずっとしどうしていただいた。
先生として、明らかに天才だった。講義は、人気を集めて、数百人が出席した場合は多かった。そして、学生の提出したエッセイの中で、講義の味は濃かった。私が数年間リップトン氏の講義を受ける学生を教えたが、リップトン氏の影響は強かった。講義は分かりやすくて、面白かった。例を挙げる場合、ほとんど冗談のような例だった。
ゼミで司会としてうまくできたし、ゼミを構成することを促した。自分でリップトン氏が知識の哲学のゼミを構成したが、それに倣って学部の中で様々なゼミが始まった。私も、中世の哲学についてのゼミをリップトン氏の背中を見て設立した。
だが、私が一番影響を受けたのは、やはり博士論文の指導だった。原稿を提出した度に丁寧に読んでいただいて、コメントを書いていただいた。そして、対面して内容について相談した。相談というのは、ぴったりだ。リップトン氏は強制的に理論の道を指摘することはしなかった。いつも私の論理を読んで、いちいち欠点や強いところを指摘してくれた。そして、私が私の思考を繰り広げた。実は、論文の一部分はリップトン氏の本を厳しく批判するところだった。それも支援していただいた。
先生の仕事に入って以来リップトン氏のように教えられるようになりたかったが、まだその点に至っていないと思う。本当に優れた先生だった。