比比多神社

神社の朱塗りの拝殿比比多神社が大山街道に鎮座する。御祭神は、木花咲耶姫命で、大山阿夫利神社の御祭神の大山祇神の娘で、ニニギの命に嫁がれた神だ。この由来で安産の御神徳がある神社として崇敬されたそうだし、大山阿夫利神社との深い関わりもあるようだ。

境内が大山街道に沿っているので、細長い。両端には入り口と鳥居があるが、大山の方にある鳥居から社殿の裏面が目の前に立つので、表参道と裏参道の違いははっきりだ。境内は広くないので、社殿もちょっと小規模だ。一方、古そうな社殿の装飾は充実だ。先ず、外は朱塗りで、彫刻も施された。中を覗いて見れば、大絵馬が数枚天井に飾られた。一つは江戸時代末期に描かれた美人図で、神奈川県の指定重要文化財だそうだ。本殿の後ろに屋根の下に境内社も鎮座する。

建物や奉納物以外の信仰の活発性を示すことが多い。先ずは、社殿の柱を削って安産お守りを作る慣習があったそうだが、柱を見たら細くなったところは顕著だ。今金属で守られ、「削らないでください」との貼り紙もあるが、このような信仰が完全に死んでいたら貼り紙は不要な筈だから少なくとも名残があると思ってもいいだろう。鎮守の森は小さいが、老樹の神木もある。そして、掲示板や案内板も充実しているし、なんと常駐する神職もいた。だから、この神社で御朱印がいただけた。

だから、この神社が生きているのは明らかだった。


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