白山神社

マンションや民家に圧迫された鳥居白山{はくさん}神社は、948年に加賀の白山神社から勧請された神社だと言われるが、遷座は多かったそうだ。いつも東京の文京区の周辺だったが、小石川などにも鎮座したことがあると言う。火事などで建物を失ったので、現在の社殿は明治や昭和時代の造りだそうだ。御祭神は、菊理姫命{くくりひめのみこと}伊弉諾命{いざなぎのみこと}、そして伊弉冊命{いざなみのみこと}だ。明治維新以来、これは白山神社の普通の御祭神だ。

神社の印象と言えば、住宅地に圧迫されたことだった。鳥居の写真で見えると思うが、マンションや民家が近く建つ。境内の形も、マンションなどの間に挟まれた印象だから、広がる景色はない。社殿の写真を撮ろことも難しいが、それは全体像を撮る角度はないからだ。それでも、境内には木々や緑は多いので、住宅地と違う雰囲気が漂う。実は、社殿の写真には、木々が邪魔になる。境内は狭いので、木を目線から除いて写真を撮る立場はない。境内は狭いと言っても、境内社が鎮座する。八幡神社と松尾神社の末社があるが、細長い参道の脇に鎮座する。

境内の狭さ以外、白山神社の特徴は門だ。鳥居の内側に、洋風の門柱があって、その上部には鉄製の三つ巴がある。模様は和風だが、イギリスでよく見る庭の門と同じ作りだ。明治時代に神社が再建された際こうなっただろう。同じ頃に建てられた民家などにも見たことがあるが、神社にはやはり珍しい。鳥居でも楼門でも随神門でもないので、伝統的な神社建築の枠に入らない。

白山神社は初めてだったが、東京十社巡りの最後の王子神社に社務所が閉まる前に行きたかったので、ここも短い時間だった。やはり、一日で十社にお参りすることを目指したら、一つひとつゆっくり見る余裕はない。


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