今は、私の作家としてのデビューからおよそ20周年になった。正直に言えば、日にちは覚えられないが、大学を卒業する直前にTRPGの雑誌で記事を載せてもらった。その記事は、今監督するArs MagicaのTRPGについてだったので、そのゲームとの付き合いも長い。
TRPGを書き始めた時点で、インターネットはまだ普及されていなかった。だから、アメリカにある出版社へイギリスから手紙をだした。その手紙で、ちぃぃぃさい文字でTRPGのアイデアを紹介した。普段なら、適切な自己紹介ではなかったと後で分かったが、その時要すればいいかは分からなかった。幸い、会社からの積極的な返事がきて、最初の出版物の掲載につながった。まだ手紙のやり取りでArs Magicaの本の中で私の作品を載せてもらった。本の半分ぐらいになった。
そこで、運がよくなった。Ars Magicaは当時の出版社にキャンセルされたが、別な会社が受け継ぐことになった。キャンセルの報告があった瞬間、私はネットを見て、メールの公表をその場で読んだ。その結果、Ars Magicaを継承してもらおうとするファンの一人になって、結局第4版の作成に大きく関わった。それは1995年だったが、それ以来私とArs Magicaの関係は密接だ。監督になったのは2002年だから、キャリアの半分以上を占める。
Ars Magica以外のゲームのためにも執筆した。D&Dから発生したd20の本を数冊著して、WFRPというゲームの本も3冊以上書いた。Ars Magicaと関係あったWorld of Darknessの本にも一部を載せてもらったが、始まりになった手紙のなかの小さな話は、World of Darknessだった。業界は広くないので、すぐに同じゲームに戻る。
この20年間のキャリアの半分は、日本で送った。それもちょっとびっくりする事実だ。時間だけではなく、著した本の半分ぐらいだ。監督した本の大半だ。インターネットの進化のおかげで、地理的な制限がこの業界からほぼ消去した。
この20年間で小説も著したことがあるが、収入になったのはTRPGだ。日本に来たばかりの三年間ぐらい、収入の半分を超えたが、英語教師の仕事が広がる次第、割合が減った。やはり、お金持ちになれる業界ではない。キャリアを振り返ったら、後悔はあまりない。15年前に書いた本は、今作成したらより良くできることは当たり前だし、見逃した機会もあったら、活かした機会もあったので、どちらが良かったかは分からない。業界の賞を受賞したし、他のプロに軽蔑されないので、自慢できるキャリアだった。
ではん、感想は何だろう。
まず、私がコネなしにキャリアを築いたので、そのような機会を設けるのは重要だと思う。誘いなしに提案する人の提案を受け入れるのは重要なのだが、それほど積極的ではない人からも提案を積極的に募集するのは必要なのではないか。才能がある人には自分の提案を誘いなしに提供する自身があるとは限らないので、気楽に提供できる環境や機会を作らなければならない。もちろん、それでも提出しない人もいるが、そのような人の参加を呼び寄せる方法は想像しにくい。提案する許可や促進を表す。
そして、私が関わったゲームの殆どがもう20年前に存在したゲームだ。改訂版であるとはいえ、真新しいゲームではない。その事実は変えるべく、明後日新しいプロジェクトを公開する。お楽しみにしてください。
コメント
“デビュー20周年” への2件のフィードバック
チャートさんはTRPGにとても貢献された方だったのですね。改めて、さらにファンになりました。
このブログと出会ったのは3,4年前でした。
神社の記事がとても良い内容であること。+普段の日常的な記事も冴えのある一言が多いこと。また近所にお住まいということ。この三点を主に、とても好きなブログとして拝見をしております。
一方で、私の個人的な趣味として、1年前くらいからTRPGを始めました。色々なシステムをプレイしていますが、ウォーハンマーも何度かやったことがあります。そして、私はGMを頻繁にしており、ゲームデザインをした方々を尊敬して、楽しんでいます。
ところが、”チャートさんのブログ”と”TRPG”は、私の中で繋がっていないものでした。
それが今日、実は密接に繋がっていることを知り、とても新鮮で嬉しい気持ちです。
>明後日新しいプロジェクトを公開する。
とのことで、楽しみにしています。
たもつ様、コメントをありがとうございます。返事が大変遅くなって、申し訳ございません。
まず、拙ブログを読んでくださって、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
確かに日本語のブログで、TRPGのことはあまり書きませんね。英語でしていることですので、日本語でどういえばいいか分からない場合は多いです。それに、英語で書いた書籍ばかりだから、日本語を読む読者には興味はないかなとも思っています。Kannagaraを作成している間にもう少し触れるかもしれません。