熱川温泉

では、昨日の約束の通り、熱川温泉の旅行の詳細をちょっと書く。

今回の旅には新しいことがあった。それは、真由喜の洋服などのほとんどを真由喜のリュックサックに入れて、真由喜に持ってもらったことだった。家を出る瞬間には「重いよ。持てない〜」と文句を言ったが、私がリュックサックを持たなかった。確かに、バス停まで真由喜を持ったので、リュックサックも持ったが、心理的に大きな違いがある。真由喜も感じただろうが、駅についてから真由喜がずっと自分の荷物を持ってくれた。「軽くなった!」とも言ったが、それは慣れてきたからだった。これからの旅行も同じ方針にする。

そういえば、今回の旅行にはもう一つの真由喜の成長があった。私が二つの行き先の候補を選んで、最終判断を真由喜に任せたことだった。真由喜の参加をこれから段々増やす予定で、真由喜が自分で旅行を計画できるようにするつもりだ。それはいつになるか分からないが、中学生時代までにかもしれない。(もちろん、小学生でまだ私の監視は必要だが、ただ認めるだけで済むだろう。)

天気予報は、曇りと雨だったが、結局晴れていたので、暑かった。その結果、真由喜が殆ど露天風呂に入らなかった。熱川温泉のお湯はそもそも熱いし、高い気温の中でそのお風呂に入りたくなかった。だから、お風呂で人形のメルがいつも通り人魚になって遊んだ。実は、露天風呂はずっと貸切状況だった。宿泊客は少なかったようだし、ちょっと早めに入ったことは原因だろう。

昨日、一日を熱川温泉で過ごした。景色は素晴らしいが、温泉街は険しい谷に無理矢理入れられたような気がした。町の風景は奇麗ではなかった。しかし、それを見たら、この町の原動力は生活を立てようとする人間の努力であったことを実感した。美しい景色は食えない。より奇麗に開発できたのだろうが、そうするために資金と規則は必要だったと思うので、事実上は無理だったのではないかと思った。その上、人には自分なりに職業を開発する自由があれば、私が好まない方向へ発展させることもあるのは当たり前だ。

それはともかく、真由喜が楽しめた。まず、バナナワニ園を訪れた。真由喜は、バナナやワニにはあまり興味を示さなかったが、レッサーパンダを発見すると興味津々。長く見て、私のカメラを借りて写真を撮った。レッサーパンダは、暑さに弱いようだから、休憩することは多かった。それでも可愛かったので、真由喜が充分楽しめた。後で、ちょっと植物園に寄ったが、真由喜はあまり興味を持たなかった。ただ、冒険の話を頭の中に作って、私をジャングルから導きだした。

そして、お昼を食べたら、砂浜に降りる余裕があった。真由喜が楽しそうに波を怖がった。「怖い、怖い!」と叫んで私の方へ逃げたや否や、また海に近づいた。海遊びが終わったら、また駅に戻ったところで太平洋の上の虹が見えた。真由喜にとって、覚えられる初虹だったそうだ。私にとって、とても良い旅だったし、真由喜が幸せな思出として覚えてくれたら良いなと思っている。


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