環境の足跡というのは、一人当たり、それとも国当たりの費やされる環境の資源などを指す。水の足跡は費やされる水量で、二酸化炭素足跡は二酸化炭素の排出量。生きている間に地球に残す印象として「足跡」と言われている。
個人の足跡は直接に使った資源に限らず、間接に費やした資源も含む。例えば、私の水の足跡は、私の飲んだ水とシャワーで使った水だけではなく、私の食糧を作るために費やされた水や私の使う電気を発電するために費やされた水も含まれる。同じように、国の足跡には、輸入するものの作成に費やされた水や二酸化炭素が入っているが、国内で費やされたものから輸出品に使われた量を引くべきだ。
このため、計算がややこしくなるが、国内の消費より足跡に注目した方が良い。足跡は、その国が消費する資源を表すからだ。
例えば、資源を輸出する国の場合を考えよう。途上国であれば、国内消費は少ない。資源を輸出するので、鉱産で作った資源はその国の足跡にならないし、発掘するために費やされた燃料も、輸出先の足跡に入る。だから、当面で二酸化炭素の排出量は高くて、環境を破壊している国は、実は環境に被害を与えていない場合もある。途上国とはもはや言えないが、中国はその具体例だ。生産品の多くは輸出されるので、中国で発生する大変な二酸化炭素の排出量や汚染は本当に他の国の足跡の一部になる。
だから、日本の足跡には、中国の二酸化炭素の排出も入っている。
水も同じだ。食糧を輸入すれば、水を輸入することと等しい。輸入された準水を生産すれば、日本で消費される水は、日本の降水量を上回るそうだ。
だから、環境に配慮することがさらに難しくなるが、事実と向き合わなければならない。