子育ては難しい問題。それは、親の立場だけではなく、社会的な立場からもそうだ。
なぜなら、親の自由と子供の自由が密接に関わり、必ずしも同じ方向に導くとは限らないからだ。親の自由を保つために、子育ての方針を自由に定めさせなければならない。子供を育てることは、人生の中の大きな事業だから、ここで自由を絞れば、親の自由を台無しにする可能性はかなり大きい。
他方、育ち方が子供の将来に大きな影響を与える。自由に道を選べるかどうかは、幼い頃の育成などによって決まる。だから、子供の自由を保障するために、親の自由を縛らなければならないと思える。
これは本当に難しい問題だと思うので、ここで完全に解決するつもりは先ずない。それより、問題をちょっと和む方法を提案したいのだ。
それは、今もある両親学級の充実だ。
前提として、親の大半は子の幸せを目指すこととする。この前提には問題はないと思う。例外が存在すると認めなければならないが、問題になる子育ての原因は主に知識不足であると言える。つまり、どうすれば良いかは分からない親が存在する。
この問題を両親学級で解決できる。親になる人や親になった人には必要な知識を与えることはできる。今の両親学級は、ちょっと足りないような気がする。
先ずは、子供が産まれる前に開催される。しかし、乳児と幼児の育て方、そして幼児と児童の育て方が違う。思春期に入る子供はまた別だ。だから、両親学級を何回も開催するべきだと思う。
そして、対象者が参加するように工夫するべきだ。このようなことはめどくさいと思ってしまう人こそは対象にするべきだ。参加を義務づけるのは理想だろうが、刺激になることも良い。例えば、参加すれば子供関係の商品券はもらえるなどのことも可能だし、参加しないと軽い罰金があることも可能だ。罰金は重ければ、子供の不利になるので1万円以下にするべきだろう。参加すると商品券をもらうが参加しないと罰金であれば、参加する人が増えるだろう。その上、開催時間帯も多様にするべきだ。平日の昼間であれば、働く人は参加できないので、夕方や週末に開催しなければならない。非正規労働者が特に必要とする場合は多いだろうが、安定した時間帯で受けることは出来ないので、柔軟な体勢は必要だ。このような工夫を重ねたら、親の殆どが参加するようにできるのではないか。
内容について考えれば、方法論は主役だろう。栄養や健康維持の有効な方法とか、躾の効果ある方法とか、教育のサポートなど。そして、よくある緊急事態への対応と子供によくある現象の紹介も重要だろう。その上、親の心のケアも重要だ。二人親の場合、お互いに支え合いかたは良いが、一人親の場合、支えをもらえる施設などを紹介するべきだ。近所の子供施設の紹介や親同士のサークルなども重要な内容だろう。
内容を修練させる必要があるが、このような教育があれば親の間違いが少なくなるように期待できるのではないか。そして、両親学級に参加することは、自由の大きな損害ではないので、子供のために容易に認められるだろう。情報を提供すれば、子供の幸せを目指す親は実践するように心がけると思える。