遅延で安定

お酒を買うために24時間前の予約を必要とすれば、無意識の酔っ払いが減るかと提案したが、今回の投稿で別の問題を取り上げたい。解決策は非常に似ているが狙いと予想する影響は全く違う。

提案は、株の売買についてだ。株を買うために、売り主と買い主が値段に一致して、株と代金を第三者に預ける。そして、24時間待つ。その24時間の間に、双方は勝手に取引を止めることはできる。止めれば、株も代金も第三者から返される。止めなければ、24時間が経つと、株は買い主に、代金は売り主に渡される。(予想は、この第三者は金融機関のコンピューターである。手続きのほとんどは自動的に行われるので、手数料は少ない。)

先ず、株の本当の目的には支障はないことは強調したい。株を購入することは、その会社に投資することだ。投資するために24時間待つことは大したことはない。投資先を考えるために長く検討したはずだから、最後に24時間を加えるのは問題ない。そして、投資先を変えようとしたら、24時間待つことはまだまだ問題ない。それに、投資を現金にするために時間が当然かかるので、24時間を加えても、変化に気づく人は少ないだろう。

しかし、他の株式市場の活動を抑制する。主な狙いは、株を低い値段で買って、数十分以内より高い値段で売って儲かる商法だ。数十分と言ったが、実は数秒以内このような取引が終わることもある。小さな値段の差でも、大量の株を売買すれば、利益はめまぐるしい。しかし、その結果は株式市場の不安定な状態で、世界経済への悪影響になっていると言われる。株価の変動は、密接に繋がっているし、すぐにお互いに反応する。これは、不安定な仕組みを構造する要素である。

もちろん、24時間待たなければならないと、このようなことはできない。24時間が経って、株価が大きく変われば、片方が取引を止めるはずだ。そして、急な変化があっても、考える時間がある。見極めて、適切な対応は決められる。

このような制度を導入すれば、他の規則も必要となる。例えば、株を売る約束の売買を禁じることとか、売買の契約には罰金や頭金を盛り込むこととなど。つまり、その瞬間で株の売買が確定することと事実上等しい行為は禁じるべきである。そうしないと、金融界で「新しい投資商品」として「開発」される。

このような政策を導入するのは、お酒の遅延より遥かに難しいと思う。なぜなら、金融界の利益のもとを覆すからだ。政治力と経済力を持つ組織が強く反対する。だから、現実的ではないだろうが、考えるのは自由だ。


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