解散総選挙

NHKのニュースでは、年内の衆議院解散総選挙は噂されている。NHKが何かを報道すれば、根拠があるに違いないが、まだ確実ではないようだ。(今日のニュースはまだ聞いていないので、もう決まった可能性がある。)

私は、解散しないほうが良いと思うが、それは党運営の立場からの意見ではない。現在の衆議院は、2年前に選出されたので、任期にはまだ2年間が残っている。衆議院を解散すれば、衆議院はしばらくないので、立法はできなくなる。そして、政治家は国家運営より選挙運動に力を注ぐのは当然だから、政治家の本務が怠る恐れは否めない。

確かに民主主義を掲げる国では、民意を問うのは重要なことで、政治力の基盤でもあるが、今の時点では、何を問うのだろうか。消費税の増税だと言えるが、前回の選挙で自民党が増税を掲げたので、民意はもう問われている。安倍首相は経済指標を見極めて来年の予定通りの増税を決めると言われているが、それは総理大臣の役目だと思う。方針の基本の是非を問うてから、その実施の詳細は政治家が官僚とともに決める。

もちろん、重要な新しい問題が浮上すれば、民意を問うべき場合もある。例えば、エネルギー資源の問題の議論の結果として、日本の住民には太陽光発電施設を設置する義務を課すべきであると言われたら、そうする前に選挙を開くべきだろう。同じように、政権がスキャンダルなどで崩壊すれば、解散総選挙したほうが良い。同じ政党がまた政権を握るのは疑わしいからだ。しかし、選挙で勝てば、民意はその政党の主導を擁立することになる。

この場合、この条件は満たされていないと言わざるを得ない。消費税増税は選挙前からの方針だし、大臣の退任があったが、その問題は小規模な問題だった。小渕前大臣の場合でも、他の閣僚に及ばないようだ。

では、選挙の動機は何だろう。政局を見ればわかるのではないかと思う。自民党の人気度はまだ高いし、野党の勢力は弱い。自民党がまた圧勝する可能性は高い。

これは、民主主義の問題の一つだと思う。前にも指摘したが、政治家は当然選挙での勝利を重視しなければならない。当選しないと国家運営と関われないからだ。しかし、選挙で勝つことは国民や国益を守ることと違う。政治家の役目は後者である。この問題を解決するために民主主義を撤廃しようとする人もいるそうだが、私はそうではない。民主主義は必要不可欠である。

ただし、このような悪影響を最低限に抑えるべきだと思う。その方法として、指定任期がある。参議院はもうそうだ。任期は6年で、3年ごとに半数が選挙になる。その選挙の時期を変えることは政府はできない。衆議院もそうだったら、今の騒ぎはまずない。選挙の間、政治家が本務に集中できるようになる。

そして、与党に選挙の時期を決める権利があれば、与党には大きな力を与える。人気が低迷すれば、選挙をなるべく延期したり、人気度が高騰すればすぐに解散総選挙に踏み切ることで、政権を握り続ける。

年内の選挙にならないでほしいが、このようなことはないように制度を改善したほうが良いと思う。


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