神社建築

神道の特徴として神社建築を挙げると、面白くないと思われるだろう。しかし、重要な点だと思う。確かに、「鳥居」「狛犬」「神明造り」「大社造り」などに小分けしたら、それはしつこくて、面白くないので、建築全般をこの投稿で考えたいのだ。

神社建築は、日本の歴史で生まれた。本殿や拝殿は、古代の住居や稲倉から発展してきたと言われるが、仏教の建築の影響も受けた。それも、神道全般について言えることだろう。狛犬は、大陸から輸入され、朝廷での貴族の寝室を守る役割から、神社を守る役割になったそうだが、これも神道全般に似ている。外からの習慣が日常生活を経由して祭祀に入った例の一つである。鳥居の起源は不明だから、神道を明らかに象徴する。地図で神社の記号は鳥居であることはすぐに思い浮かぶ例だろう。つまり、伝統的な神社の建築を持つ施設で執り行われた祭祀を神道として扱うべきである可能性は高いと言える。

西洋の文化から考えれば、建築は本当に表面的な要素で、宗教などの本質を表せないと思いがちだ。教会の建築は、時代によって変わるし、共通点もあまりないし、共通点があってもキリスト教の重要な点ではない。キリスト教の中心は教条だから、教条を表現する建物はそれほど重要ではない。他の人が参列するのは必要だろうが、建物はあっても、なくても構わない。あったら、雨を防ぐぐらいで十分。

しかし、神道は違うと思う。神道の中心には祭祀がある。祭祀は、作法と動作が重要なので、その環境を成す建築も祭祀の重要な一部である。実は、建築が違うと執行ない祭祀もある。一つの例はもう廃られたが、伊勢の神宮で神饌を正宮の床下に奉ったそうだ。床が地面から離れないと、そのような祭祀は執行ないのは明らかだろう。他の特殊神事も同じであるそうだ。一番広い考え方にすれば、拝殿と本殿の分け方も祭祀に深く関わる。

さらに考えれば、神道の抽象的な要素の一つは、斎庭、つまり祭祀を執り行う場所の環境を重視することである。それは、他の宗教にも見えるが、重視しない宗教も存在する。だから、その抽象的な要素は神道の特徴であるとは言い難い。一方、伝統的な神社建築で構えられた環境を重視することとすれば、まだ正しいし、神道の独特なことになる。もちろん、他の要素と同じように、その環境の中で執り行う祭祀は神道の祭祀と根本的に違うと、神道の祭祀とは言えないだろうが、建築はもう一つの重要な要素であると思う。


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