外国人市民意識実態調査では、情報伝達の問題が浮き彫りとなった。川崎市が提供するサービスを知らない市民は非常に多い。誰も知らない措置は、存在しない措置と同じぐらい効果があるので、これはやはり問題だ。
しかし、代表者会議で毎回ぐらい浮上するほどの問題だ。問題の存在は周知されている。少なくとも、市役所関係者はそうだ。だから、調査の結果は再確認にすぎない。この再確認があったら、どうすればよいのか。
実は、前期の代表者会議の提言で、一つの動きは始まった。川崎市に転入する外国人には多言語の情報を確実に渡すことになっている。その効果は期待できると思うので、次回の調査結果で確認したい。しかし、この措置は、転入する外国人に限るので、もう川崎市に住み着いている外国人市民への情報伝達に役に立たない。
情報伝達の問題には、言葉の壁は大きいだろう。随時に情報を多言語化できるわけはないからこそ転入時点で渡す情報の多言語化を特別に勧めた。それは特定された情報だし、一度訳してもらったら、長く使える。もちろん定期的に更新しなければならないが、それは毎年のことではない。しかし、氏の普通の知らせは月に数回になるので、それは難しい。
一つの候補は市政だよりだ。これは毎月配布されているので、多くの人に届く。その一面を多言語にしたら、月ごとに重要な情報を伝えることはできる。その一面は、裏表紙になった方が良かろう。もちろん、表紙を多言語にするわけにはいかない。読者のほとんどは日本語で読むからだ。しかし、日本語は読めない人は、日本語での新聞の中を見ないだろう。だから、ふっと気づく可能性がある場所に多言語を載せた方が良い。このページに市のホームページを紹介したり、多言語の情報源を毎回紹介した方が良いが、その時期その時期重要になっている情報を伝えることもできる。例えば、入学手続きや特定健診の季節になったら、それを短く説明できる。一面で九つの言語で載せることになるので、内容は少ないが、もう少し外国人市民まで届くだろう。
今のところ、代表者会議のニュースレターの一部をこのつもりで使われているが、ニュースレターの配布は限られているので、さらに方法を考えなければならない。ただし、情報伝達は一つの手法で解決出来る問題ではない。
だから、市政だよりのほか、もう一つの案がある。それは日本語教室だ。先に述べたが、日本語教室は言葉の問題の解決策として必要であるが、その内容には市の仕組みなどを紹介したり、何をするべきかを説明したりするのは良かろう。そして、外国人市民同士の絆も築かれるし、日本人のボランティアも参加すれば、日本人市民と外国人市民との絆も。このように知り合いが増えれば、それ自体が情報伝達の手法になる。
情報伝達はもしかして解決できない問題だろう。だからいつも工夫して、一歩ずつ改善するように頑張りたい。