この本は、去年の神社検定の問題集だ。回答と解説も付いている。
第3回で、参級から壱級は初めて揃っていたので、すべての試験を一緒に見ることができる。この本と第1回と第2回の問題集は、受験を計画する人にとってとても役にたつと思う。設問の形にちょっと馴染むことはできるし、どういうことを聞くかも、把握できる。ただし、回答と解説は、設問の直後に載っているので、練習問題として使うことはちょっと難しいです。特に、試験の状態を再現して挑戦することは難しい。
解説というのは、多くの場合公式テキストでのページ番号にとどまる。それで良いと思う。内容はもう簡単に入手出来るし、受験勉強をしているとしたら、もう持っているはずだから、効率の良い方法である。場合によって、間違った選択肢の間違いを詳しく指摘するとか、紛らわしい点を解明することもある。
設問を読み返すと、やはり詳細を問う設問は多いなと思った。前にも述べたが、この方法で設問するのは比較的に簡単になるが、試験として測ることは何であるかは、私は疑問視せざるを得ない。神道の理解を測定するのは目的であると思うので、記紀神話で出てくる鶏の名称を訪ねるのは本当に目標に相応しいのかは、疑う。しかし、このような詳細の問題の設問も難しい。この本には、設問別の正答率が載っているが、壱級では16.0%から100%までのばらつきがある。正答率は100%であれば、設問には問題はある。私は、日本論理検定協会で働いたとき、複数の検定試験の設問をしたが、そうならないように工夫するのは確かに容易ではない。さらに「理解を試す」設問にしようとすれば、なおさら難しくなる。
ところで、この本の後ろに興味深い統計が載っている。例えば、私はある意味典型的な受験生であることが分かる。受験生の3分の2は男性で、40代も一番多い。(国籍別の分析はないが、もしかして日本人3374人、外国人1人になるかもしれない。)そして、全国の会場があったが、東京の会場は970人で、全体の3分の1に近かった。この側面からも、私は典型的だった。佐賀県は3人しかいなかったが、各県で受験できるのは良いと思う。神社庁を使っていることは多いので、これは維持できるのではないか。
そして、参級の合格率は7割弱で相応しいと思う。弐級は2割弱だったので、低すぎたと言えよう。5割ぐらいまで引き上げたら良いかな。壱級は3割弱だったが、壱級として相応しい数値だろう。
ところで、7月6日付の『神社新報』には、今年の結果の概要が公表された。受験生は約3400人だったそうだから、第1回から続いていきた伝承には歯止がかかれた。それは予想の通りだろう。最初は、長年このような試験を欲しがった人は受験するが、第4回で普通の水準に安定するだろう。これから増加を目指せば良い。参級の合格率は4割程度だったので、ちょっと低いかなと思われる。弐級は、3割弱に上がったので、改善ができたと言えよう。壱級は去年と同じく3割弱だったそうだから、それはまだ相応しいと言える。
前にも述べたが、この試験の公式テキストは貴重なテキストになりつつあるので、この計画は続けて欲しい。受験したい人には、この問題集を強くお勧めする。