禁煙の賞金

今回の投稿も、Natureで紹介された研究論文を紹介する。今回は、禁煙を促す方法についての論文である。この論文は、実はNew England Journal of Medicineに記載されたが、紹介する記事はNatureに載っている。この投稿は、Natureでの記事日本語概要)に基づく。

喫煙は、合法の活動のうち、一番命を脅かす行動であるそうだ。喫煙者の半分は、喫煙を試死因すると言われる。そのために、禁煙を促す活動は社会的にとても重要である。タバコの値上げには一般的な効果は認められているが、タバコを止めたい人を支援する要項な手法は少ないそうだ。効果は極めて薄いようだ。だから、新しい手法を見つけるのは重要である。

この研究は、アメリカの会社で2500人余りを対象として、四つの手法を比べた。二つは個人で禁煙と挑む形で、また二つは集団になって挑むことだった。その概念は、集団で挑戦すれば、お互いに持ちつ持たれつできるので、成功率が上がることだが、本当に効果があるかどうかはわかっていなかった。そして、個人と集団一つずつには、禁煙に成功したら$800をもらう仕組みだった。残る二つでは、参加するために$150を預けなければならなかったが、禁煙に成功すればその$150をもらうし、さらに$650をもらうことだった。つまり、禁煙できたら賞金をもらう。

預かり金がある計画は、誘われた人の87%が拒否した。単純な賞金がある計画で、90%が参加した。これは驚くほどではないだろう。しかし、参加者も不参加者を合わせたら、預かり金で7%程度が6ヶ月で禁煙できたそうだ。(参加者の5割強である。)一方、単純の賞金の場合、不参加者を含めても、17%も止められた。そして、12ヶ月で調べたら、禁煙できた人の5割がまた喫煙していたが、賞金をもらった人はまだ8%程度が吸わなかったが、それは通常の計画より倍ぐらいの成功率だったそうだ。ところで、個人挑戦と集団挑戦の間の差は認められなかった。

つまり、この結果を踏まえれば、禁煙を促す方法として、一番効果があるのは成功する人には現金を渡すことであるようだ。しかし、この手法を実現するのは極めて難しいという。なぜなら、多くの人が強く反発するからだそうだ。タバコをやめるのは良いことだが、最初から吸わない方が良い。それとも、お金をもらわずにやめた方が偉い。それでも、一生吸わなかった人にはお金を上げないし、自分でやめた人にもお金を上げない。お金をもらう人の選び方は間違っている印象は強いそうだ。

確かに、この考え方は理解できなくはない。不公平であると思われるだろう。しかし、人を助ける場合、公平か不公平かを考えるのは本当適切であるかどうかは、疑問を抱いても禁じを得ないだろう。


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