川崎市外国人市民代表者会議で情報伝達は常時に浮上する課題であるが、生物学でも重要な課題である。特に生物の発達の途上で、細胞にはどういう風に発生するべきかを管理するかは、興味深い問題である。体のすべての細胞が一つの細胞から発生するので、この発達を監督するのは重要な役割である。今日ちょっと久しぶりに紹介する研究は、この問題に関する論文(日本語要約)である。いつもの通り、natureでの紹介する記事(日本語要約)に基づいて紹介する。
この研究は人間ではなく、ショウジョウバエで行なわれた。そして、雄の生殖系列幹細胞の発達を検討した。この構成は、前から概要がわかっていたそうだ。つまり、幹細胞が分裂する時点で、発生する細胞の一つは幹細胞として再生するが、もう一つは子孫細胞へ発展する。(幹細胞は、他の細胞を作成する役割を担う細胞で、子孫細胞は、身体の他の役割を担うが、子孫細胞の種類は特に多い。)そして、幹細胞のままにすることは、監督細胞からのシグナルの影響であることも判明していたそうだ。ただし、問題はまだあった。幹細胞と子孫細胞は究め得て近いのだ。分裂したばかりなので、当然だろう。だから、シグナルが幹細胞になる細胞にのみ伝達される方法は不明だった。細胞間のシグナルは通常、蛋白質などの分子が細胞と細胞の間の液体に放たれ、的の細胞へ放散する。ただし、この場合は、この方法であれば分裂してきた細胞の両方が幹細胞になるはずだから、その永源のやり方を調べる必要があった。
その構造は、微小管依存性ナノチューブだそうだ。ナノチューブというのは、ナノメートル規模の管を意味する。最近、将来の期待を集める技術として報じられるが、このナノチューブは自然物だから、構成はちょっと違う。微小管は、細胞の中の小器官の一つで、とても小さい管という意味だ。細胞でたくさんの役割を担うが、今回の発見は新しいようだ。シグナル伝達はこの微小管依存性ナノチューブを通るそうだ。つまり、ナノチューブが繋がっていない細胞にシグナルが届かない。ナノチューブは分裂した細胞の一方にしか繋がらないようだから、一つは幹細胞に、もう一つは子孫細胞に発展するようになる。つまり、無線のシグナル放送ではなく、有線で特定した受信先へ伝達する。
もちろん、このような構造が存在すれば、別な機能も担うのではないかと思われるが、それは将来の研究の課題となるだろう。
ところで、今回の研究の研究家の二人は、日本人か日経の女性のようだ。(Mayu InabaとYukiko M. Yamashitaだ。)しかし、二人ともアメリカの大学に属している。海外で研究することは良いことであるとよくこのブログで強調したので、歓迎したいことだよね。