国際支援の枠組み

先日、国際支援の危機管理と長期的な援助などについて論じたが、そのバランスについての結論は出なかった。今回、その問題とまた取り組みたいと思う。

まず、危機の未然防止策を優先すべきことは変わらない。援助を得る側にも有利だし、援助する国の国民にも有利である。なぜなら、人の人生の自由は、内戦などの危機に陥らなければ良いからだ。その国に住んでいる人はもちろんのこと、援助する国に住んでいる人もそうだ。該当する国の商品を買う自由があるし、その国に旅をする自由もあるし、商売の連携などは可能だ。シリアには、歴史的な遺跡は多いが、現在見に行くことはできない。それは日本人の自由が制限されたことだ。確かに、シリアの場合は日本人にとって重要な自由でないだろうが、世界中に行けなくなったら、それは大きな制限になる。その一つ一つに努めたほうが良い。つまり、他国の危機を回避することは、自国の自由とも繋がる。もちろん、内戦を経験しない側のメリットのほうがはるかに大きいけれども。

しかし、完全な防止策は存在しない。相手国の政府が大きく間違えることもあるし、自然災害が発生することもある。その危機は、どうすれば良いのか。

まず、最近の世界の出来事を見れば、軍事的な関与は役に立たないことは明らかだ。相手国の危機の解決とは繋がらない。寧ろ危機が広がらないような緊急対策に過ぎないが、それでも効果は怪しい。だからこそ、そのような危機の未然防止を目指すべきだろう。自然災害は違う。外からの援助で、人を助けることはできる。

まず、自然災害の対応をどうすれば良いのか。それは、国によって違うと思う。国の大きさによって異なるが、技術なども影響する。例えば、日本には国内の自然災害は多いので、その救助に先進である。一方、日本は自給率は5割程度であるので、食糧の提供はあまりできないだろう。だから、日本は救助の経験を持つ人材を派遣することはふさわしいと言えるだろう。海外での救助活動も経験になり、強みにもなるので、日本国内の災害対応にも役にたつと思える。アメリカは、食糧を送ると良い。アメリカの農家に助成金を出す大義名分としても使えるので、国内の政策にも貢献するだろう。他の国は、適切な対応を考えれば良い。(イギリスの役割は思い浮かばない。自然災害はないので、救助の経験はない。そして、食糧はそれほど余っていない。何をしたら良いのだろうか。)

これで、国の危機対応を事前に決めて、国民や国際社会が納得できるようにする。そして、その役割をちゃんと果たす。それ以外のことは、しない。確かに、本当に未曾有の問題が発生すれば、何かするべきだろうが、火山や津波、内戦や難民はそうではない。その出来事を考えて方針を決めたからだ。危機対応の可能な範囲を事前に決めて、国際社会から認めることで、冷静に持続可能は対応を定めるためだ。その判断は政治的な判断だが、場当たりの判断を避けたほうが良い。

危機への対応は、いつ必要となるのはわからないので、決めて、保留する。長期的な対応は、いつも考察すべきだ。それについて、後ほど考えたいと思う。


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