真由喜は、日本舞踊もバレエも習っている。当然、私が日本舞踊を推薦したし、ゆり子はバレエを推薦した。2年間以上の経験に基づいて、比べたいと思う。
まず、日本舞踊の月謝は確かに高い。しかし、それは6回のマンツーマンの30分のレッスンの授業料になる。バレエは安いが、週1回の団体でのレッスンの授業料である。同じように、発表会の費用は、日本舞踊のほうが高い。(月謝と同じく、2倍程度である。)しかし、バレエの発表会で真由喜が団体の一員として5分ぐらい踊るが、日本舞踊の発表会でソロで合計10分程度踊る。つまり、日本舞踊の費用はバレエの2倍になるが、真由喜の経験も2倍になると言える。(その上、バレエの発表会は撮影禁止だが、日本舞踊の場合、撮影しても良いと言われたので、自分のビデオも撮れた。)
(ところで、日本舞踊を藤間流の藤間恵都子先生に習っている。教室によって、費用が異なると言われている。特に、発表会の費用が10万円を超える場合もあると聞いたことがある。)
つまり、経済的には均衡にあると言えよう。日本舞踊のほうが高いが、その費用に応える内容もある。
では、内容はどうだろう。両方は踊りだし、舞台の上の踊りだから、踊りには話がある。共通点は実は少なくない。
しかし、相違点も明らかだ。日本舞踊とバレエの絵を見せられたら、見間違いすることはないだろう。これで、好みの話になる。
私は、日本舞踊のほうが好きだ。バレエは、細くて柔軟ではないと無理だし、若くない人はうまくできない。排他的な踊りとも言える。一方、日本舞踊は、体の形をあまり気にしない。着物を着るので、体はほとんど隠れているし、年を取っても踊れる踊りである。でも、この相違点を越えれば、また共通点は多い。両方は、体の繊細な動きと優雅な身振りを魅力とする。だから、習い事として、上品な動き方を教える。集中力と音楽の感覚を習うことも共通だ。そして、衣装は大きく異なるとはいえ、子供が特別な印象を与えることは共通である。(日本舞踊を習う男子は、バレエを習う男子より少ない。私が真由喜をお稽古に連れて行ったら、部屋の中の唯一の男性になる。)
もう一つの相違点は、バレエを習う女の子は多いが、日本舞踊を習う子は少ないことだろう。ちょっと珍しい技を持つことも良かろう。
私は、日本舞踊のほうが好きなのは分かっただろうが、それは日本の伝統文化の一部であるからだろう。西洋文化に憧れる方は、バレエのほうが良いのではないか。真由喜はまだ興味を持っている限り、両方を習わせたいと思う。