アメリカの国籍放棄

日本国籍を取得するために前にもった国籍を放棄しなければならない。それは、日本が二重国籍を認めないからだ。他の国家は認めるので、日本はちょっと珍しいが、例えば中国や韓国も二重国籍を認めないそうだ。(確認していないけれども。イギリスは認める。)

今まで、アメリカの国籍を放棄することはややこしかったと言われるが、無料だった。条件はあったが、日本の国籍を取得するための放棄は手数料無料だった。しかし、今この規則を更新する予定であるようだ。新しい規則案によると、国籍を放棄するための手数料は、$2、350とするそうだ。今の為替レートで換算すれば、¥285,000になる。これは高い。私は、アメリカ人ではなくてよかったと思ってきた。(イギリスの場合、手数料はあるが、£120程度で、換算すれば¥25,000程度にとどまる。)

アメリカ人にはひどいが、日本の政府も対応したほうが良いと思う。なぜなら、下記の状況のためだ。

例えば、親は海外赴任でアメリカにいた時に生まれた日本人を考えよう。この人は、1歳未満で日本に帰国したので、所謂「帰国子女」でもない。しかし、アメリカで生まれたので、アメリカ国籍を持っている。アメリカで生まれた子供は原則として生まれながらアメリカ国籍を持つからだ。では、この日本人が20歳になったとしよう。アメリカから帰国して以来、日本で成長して、英語は普通の日本人と同じレベルしかできない。それでも、二重国籍を持っている。20歳になると、日本の法律によると、選ばなければならない。日本の国籍を選べば、アメリカの国籍を放棄しなければならない。アメリカの国籍を選べば、日本の国籍を放棄しなければならない。しかし、この人には何も得ないために気軽に使える¥285,000はないとしよう。現実と乖離する仮説ではなかろう。その場合、この日本人は経済的な理由で、日本国籍を放棄しなければならない。

同じようにアメリカ人と日本人のハーフも同じ選択肢に強いられる。

この人は、自分の選択肢のためこの状況になったわけではない。ハーフの場合、親の選択肢はあるが、海外赴任で生まれた子であれば、親の会社の決断でこの状況になったと言える。不公平であるのは明らかだ。

では、日本政府はどうすれば良いのか。一つの選択肢は、二重国籍を黙認することだ。つまり、アメリカ国籍を持った日本人は、日本国籍を選んでも、他の国籍を放棄したかどうかを意図的に調べない。しかし、このような違法な状態に目を潰す対策は良くない。

もう一つの可能性は、このような理由で余儀なく日本国籍を放棄する人に特別永住者の在留資格を与えて、簡易帰化を認めることだ。つまり、日本での生活を続けさせて、経済的にアメリカの国籍を放棄できるようになったら、日本国籍の取得を認める。このような対策を実現するために、法律の変更は不要だと思う。

しかし、永住権を与えても、参政権を剥奪する。お金は足りないので、参政権を剥奪ということは、憲法の精神に違反する。だから、一番良い解決策は、二重国籍を認めることだ。そうするために、もちろん法律の改正は必要だ。しかし、そうしないと、アメリカに親の選択を理由に日本人を苦しませる権利を与えている。国民の利益を守ろうとする政府であれば、それは良くないので、法律改正を実現したほうが良いと思わざるを得ない。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: