先日の聖域について語ったところ、具体的な社殿の配置を描写すると言ったが、それは今回始めたいと思う。
まずは、板垣を設ける。板垣をおよそ8尺の高さにすると良かろう。人間より高いので、中には見えないが、圧倒するほどの高さではない。そして、板垣の南の中央には、拝殿が配置する。
拝殿の真ん中には、流造にして、向拝が板垣まで伸びるところをする。この向拝の柱の間に、板垣の門を作る。門を開くと、扉の羽が拝殿と繋がって、一般の参拝のための区域を作る。拝殿に上がる階段の下に賽銭箱を設けて、賽銭箱のところに玉垣をして、拝殿へ上がる道を塞ぐ。拝殿の床を地面から7尺程度にする。つまり、目線より高いが、板垣より低い。そうすれば、外から拝殿の中をはっきり見ることはできない。
そして、拝殿の向かって左には、祓戸を設ける。これはまた潔斎殿と言えよう。これは、主に板垣内に設置するが、ちょっと突出区域に祓戸の神の祠を鎮座する。この区域で、小祭の昇殿参拝の前にお祓いを受ける。そして、潔斎殿に入って、中祭以上の祭祀のための潔斎を行う前に、このところでお祓いを受ける。つまり、板垣の中の区域に入る前に、必ずお祓いを受けることになる。
潔斎殿から拝殿に入るのは、拝殿の横からにする。もう一つの階段を設けて、神職と一緒に参列者が上がる通路となる。つまり、中央の階段は、普段使わない。それは参道の中央は神様の道であるように、神聖な道にするためだ。
拝殿の中に、神事を行う三つの場所を指定する。中央の奥には、普段閉じている扉がある。左右の場所の奥の扉は、普段開けて、御簾を垂れる。神事は、同時に三つ行える形式になる。(架空な神社には、予算の問題はないのはいいね。)
拝殿の奥には、さらに神聖になる区域がある。拝殿の奥から、橋が小川と玉垣を渡って、中の社殿と連なる。中は、左右には住吉造りの社殿で、幣殿を建てる。幣殿の間に、神楽殿がある。神楽殿は、正方形で、屋根があるが、解放されている構成にする。
中祭は、幣殿で執り行う。拝殿を通って、拝殿に入る。そして、祝詞などは、幣殿の奥に向かって奏上する。玉串奉奠も、奥にする。ただし、幣殿の奥には扉はない。それより、神楽殿の方の横には扉を開ける。この扉から神楽殿はよく見えるので、神楽を奉納する場合、参列者は扉の方に座って、神楽を見学する。
神楽殿には、四つの面には入り口がある。拝殿からの橋とその直線にある階段は、あまり使われない。横の階段は、幣殿から神楽殿に舞い姫が上がることに使われている。そして、奥にはまた玉垣があり、その玉垣の三つの鳥居から斎庭に入れる。中央の鳥居は、普段使われない。脇の鳥居は、神楽殿と幣殿の間を通って潜るのは普通の入り方とする。斎庭から、瑞垣に囲まれる本殿を、鳥居の向こうに見える。玉串奉奠は、鳥居の下で行う。斎庭では、大祭を執り行う。
まだ瑞垣内の区域が残っているが、それは特別に重要な神事に使う。しかし、それは後ほど考えたいと思う。