小祭の次第

小祭をどう構成すれば良かろうか。祭の基本構成は、修祓、神事、直会であると言えよう。つまり、日常から非日常の聖域へ移る修祓から始まる。神域では祭を行う。そして、直会を通して日常に戻る。このパターンは重要だと思う。特に、神祭の時の非日常の区域は重要であると感じる。神祭は普通の生活の一部に感じれば、まずは不敬だと言えるし、精神的に祭の影響が薄まるのではないかと思う。

一方、小祭は比較的に気軽にできる神事である。重要度は一番低いし、祭神祭の場合、毎日行う。その上、氏子祭の小祭は、普通の人生の出来事に当たるので、長い時間を費やすわけにはいかない。

そのことを踏まえて、次第を考えよう。

まずは、修祓を祓戸の神の祠の前で行う。普通の服装のままで行うし、靴を脱ぐ前にもする。これは、拝殿の向かって左にある区域で、玉垣の中に入って祓ってもらう。天気が許せば、屋外で、祠の前で執り行うと思うが、天気が悪かったら、祓殿の中が良い。祓えは、普通の祓詞を奏上して、大幣で祓う。塩湯の祓えも加えたら良いかもしれないが、それは手間を増やすので、考えなければならない。そして、靴を脱いで、洋服であれば白い法被を羽織り、拝殿に上がる。これで、物理的に日常的な区域を出るし、儀式でその境を認識させる。

神事自体は、簡潔の方が良さそうだ。拝殿に入る時点で太鼓を叩くが、特に降神の義は行わない。供饌の義は、三方を一台を供えることとする。それに載っているのは、お米、お塩、お水、そしてお酒であると良い。そして、依頼主の初穂料も供える。それも、三方に載せて供えると良い。これで、典型的で象徴的な神饌を神前に供えるし、依頼主からの供物もちゃんと供える。

それから、祝詞奏上にする。祝詞はもちろん祭祀の内容に合わせて捧げるが、決まった形式に分けることは多いと思われる。例えば、家内安全、合格祈願、職業成就などである。それは、現在の神社のほとんどと同じだ。

祝詞奏上が終わったら、参列者によって玉串奉奠を執り行ってもらう。原則として、すべての参列者にしてもらうが、主役の参列者から始まる。なぜかというと、神事でただじっと座ってみるだけであれば、印象が弱くなるからだ。玉串奉奠は簡単な儀式であるが、日常的な行動ではないので、何か印象を残すだろう。そして、ただの傍聴者はいないことも強調できる。

それから徹饌の義を行うが、それで神事が終わる。

直会は本当に簡潔な形にするが、提供するお神酒は、供えられたお神酒から注ぐ。そして、お酒と一緒に小さな餅のお菓子も提供する。直会には、食べ物があると良いと思う。そして、直会を行う場所だが、やはり拝殿ではなく、祓えのように神域と通常の生活との間の場所が良い。つまり、神産霊神社には直会殿も設けた方が良いと思う。小祭の直会は、立ち食いの直会にしても良いが、専用な場所があると日常との切り替えの気持ちを裏付ける。

単純に実践問題を考えれば、小祭に参列する人の荷物を預かる場所も必要であると思う。その上、直会の後で、自然に預かった場所に戻らなければならない。つまり、直会殿も、潔斎殿と同じように社殿の向かって左に設けるべきだ。神饌の調理をする場所も、同じ建物の一部にすると思うので、重要なところになりそうだ。


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