さて、神産霊神社のことに戻る。中祭のための禊祓を描写したので、次は神事である。もちろん、特別な神事もあるが、一般の中祭をどうするかは、今回の話題とする。
禊祓が終わったら、まず潔斎殿から拝殿へ渡る。神職を先導に行進するし、後ろには神職や巫女が来る。つまり、小規模な行列になる。そうすると、非日常の感覚が維持されると思われるし、祭祀を厳粛に執り行うことは保障される。(中祭の場合、携帯電話などは、脱衣所のままであるので、それも安心させる。)
拝殿の中で、奥の右か左に進んで、一旦止まる。下がっている御簾の前で、神職が短い祝詞を奏上して、奥へ進むことを報告する。そして、後ろに来る神職や巫女が御簾を上げたら、参列者が進む。その後ろで、御簾をまた下げる。この扉の奥には橋があるので、橋を渡って幣殿に入る。幣殿で、奥の扉の前で祭祀を行う。まず、献饌の儀を執り行う。中祭の場合、略式ではないのが良い。つまり、三方に載っているお米、お酒、お水、お塩、そして直会に使われる海山の幸を備える。この間、音楽があると良いが、中祭の場合、演奏者は少ないだろう。架空な神社には予算問題はないのは確かだが、完全に現実と掛け離れると、勉強として意味はない。
それから、祝詞奏上がある。
次は、御幣の儀がある。それは、神前に供えている御幣を参列者の上に振って、神様の加護を象徴する事だ。複数の神社で見た事があるし、印象的である。
神楽を奉納すれば、舞乙女が幣殿の横側にある扉から出て、神楽殿に渡る。参列者は、幣殿の縁側に移って、横から神楽舞を見る。この角度から、斎庭をちらっと見えるのは良い。神楽があれば、鈴の儀も取り入れるだろう。それは、巫女が神楽鈴を参列者の上で振るう事だ。日枝神社で執り行われたが、もうないようだ。これも、神秘的な雰囲気を醸す。
実は、一つの選択肢は、神楽を中祭の必要な一部として位置付けることだ。しかし、神楽はまだ詳しく考えていないので、結論ありきで示したくないのだ。
神楽の後で、玉串奉奠がある。当然、参列者は一人一人玉串を奉奠する。(玉串も、後ほど考えたいことだ。)
徹饌の儀も執り行うが、神饌は直会に使われるので、必要である。徹饌の儀が終わったら、また神職の先導で拝殿を経て直会殿に行進する。
これで、神事がほぼ神社本庁の規定の通りに進める。ただし、神社本庁の規定で、中祭でも降神の儀に当たる部分がある。その点は、どうすれば良いかを、これから詳しく考えたいと思うが、その前に中祭の直会を考える。