二人が階段を駆け上った。下から漏れる光が次第に薄くなって、出口に近づけばまた暗闇に包まれていた。音へ少しもなかったが、学生は振り返りもせずひたすら上へ走った。ようやく階段を塞がる岩の天井が見えてきた。
「華多離菜・・・水は・・・除け・・・られる?」息を取りながら真理安が聞きました。
「ちょっと・・・待って・・・いただければ」華多離菜が壁に寄りかかって深く息を吸った。そして、手を出して、岩に押した。
「水はありませんわ。」と驚いた声で言いだした。「この上、水はありません。」
「悪魔の業か」と真理安が疑ったが、呪文の準備をした。「構えてね。水が急に入ってくる恐れもあるぞ。」頷いて、華多離菜が力を用意した。
真理安が唱えたら、天井が光って、透明になって、消え去った。水は本当になかった。学生が階段を登って、水底に立ったら、周りには警備員が数十人立っていた。炎が出たが、その瞬間。
「止まれ!悪魔ではない」と隊長が言った。「俺は谷入。お前たちの身柄を拘束して、頭魔主に連れていく。裁いてもらう。」
「なんだって?」真理安は怒った声で反論した。「何もしていないぞ!」華多離菜は何も言えなくなったが、目に涙が湧いた。
「禁足地から上がってきた」と谷入が答えた。「原則として死刑だぞ。何もやっていないわけではない。」
華多離菜が小さな悲鳴を放ったが、真理安の顔は真っ青になって、しばらくの間黙って谷入を見つめた。
「死刑・・・」と真理安がつぶやいた。
「では、捕まえ!」と谷入が言うと、警備員が後ろから来て、真理安と華多離菜を縛り始めた。華多離菜が涙を流し出したが、真理安が抵抗して、手錠を避けようとした。
「協力しなさい」と谷入が命令した。「逃げ道はもうない。釈放を乞うしか残らないぞ。」
「僕は、何もやっていない。」と真理安が訴えたが、谷入が意地悪な微笑みで答えた。
「禁足地から出る瞬間は、数十人の警備員に見られた。そもそも在籍を許すべきではなかったが、排斥は最低の判決だ。死刑も要求されると思える。」
「それは知らなかった。」とまだ真理安が反論した。
「知るべきだった。だからこそ少女を大学に入らせるべきではないだろう。自分のことしか考えずに、感情に操られたり、不合理的な行動を繰り返したりするに決まっている。長年、懸念された課題だが、これでもう決着だろう。」
「待ちなさい。」女列安道が閉ざされた岩の上に現れた。