椿堂17

翌日、評議員会の理事会が女列安道の行為を裁くために集まった。大師を懲戒する場合、規則で公開しなければならないと定まったので、傍聴者を排除することはできなかった。それなのに、真理安と華多離菜が入ろうとすると、谷入{たにいる}が遮った。

「入るな、小娘。お前はもう充分問題を起こしただろう。」

「入る権利を持つんだ。」と真理安が反論した。「退け!」

「失礼な。寮に帰って、何か女子の遊びをしなさい。」真理安がまた反発しようとしたが、華多離菜が先に言い出した。

「評議員会の理事会の会合は原則として公開されると思いましたが、それは間違っていますかしら?」谷入に聞くために、声は大きすぎたので、評議事堂の中まで届いた。中から匠の一人が現れた。

「何ですか?あ、椿堂の学生でしょう?傍聴するのは当然ですね。」

「この二人は、牢獄に入った奴だ。」谷入は許す気はないようだった。

「そうですか?」匠は興味深そうな目で二人を見つめた。「なるほど。そうなら、まさに当然ですよね。どうぞ、案内します。」谷入の目は鋭かったが、廊下を空けた、通らせた。

「私は羽空{ぱうろ}と申します。真理安さんと華多離菜さんですよね。谷入警備長が言いましたけれども。」

「羽空様、ありがとうございます。」と華多離菜が言った。真理安も会釈して、厳しい表情をちょっとリラックスした。

「大師の指導に従って、これほど大変なことに発展するなんて、思わなかったでしょうね。結末まで見たい気分はよくわかりますし、谷入警備長にはやりすぎの傾向があるのは周知の通りですので、何か言ったほうがいいと思いました。それでも、本当に自分で牢獄に入れましたか?大師の指導などはなかったんですかね?」

「あのう、それは」華多離菜が言い始めたが、羽空がまた横刺しした。

「ですよね。指導はないと学生が結界を通ることはできるはずはありませんね。」

「自分で通った。」真理安が冷たい声で言い切った。

「あ!そうなんですか。そうですよね。まあ、私は特に女性は呪術に向いていないなどとは言いませんね。確かに男性の方が自然だと言えるのでしょうが、女性もできますよね。女列安道大師も女性ですよね。しかし、入り口は水底にあると聞きましたが、それは本当ですか?水をどうやって除けたのでしょうか。」

羽空が黙って待ったので、結局華多離菜が答えた。

「呪文で水の中の空気を作りましたわ。」

「それはできますよね。素晴らしいですね。それほど水を除けるなんて、些細なものではありません。では、理事会の会合はここですね。傍聴者はあそこのドアから入りますが、噂が飛び回ったようで、多いそうです。席取りはちょっと大変かもしれません。女性の特権を活かした方がいいでしょう。」そう言いながら、羽空が微笑んだ。「私は一応理事ですから、ここです。では、失礼しますね。」

「理事?」真理安が華多離菜につぶやいた。「あのしゃべり屋さん?」


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