「昨年度、真理安さんはほぼ満点だったと思いますが、その結果を認めてもらうために、どうしましたか?」
「もちろん、評議員からの免除を受けた。免除を与えないと思うかい?それはないだろう。形だけだろう。免除抜きに卒業する方法はないぞ。」
「違います。」
「えっ?違うか?どうやって卒業するんだい?」
「卒業する条件を満たせば、卒業しますわ。条件は、600年前に改訂して以来、そのままです。もちろん、ですからこそ皆は免除で卒業しますが、規則では条件はまだ定まっています。条件を満たせば、免除なしに卒業できます。」
「なるほど。でも、女子のみに許可を与えないことは、怪しくない?」
「狙っていますので、怪しくても止みませんかしら。その上、免除を受ける手続きはお分かりですか?」
「わかっていない。先生に任せっきり。」
「ですよね。まず、大師や理事が以来を受け入れなければなりません。そして、その大師が評議員会に免除の根拠を説明して、評議員会の認可を求めます。最近、椿堂の免除は例外なし女列安道大師によって提案されました。もしかして、評議員会に提案された免除案は却下されなませんかしら。根拠は他の学生と通じるからですよね。しかし、最初から提案されていなければ、却下する必要はありませんわ。申請はなければ、許可が下りません。」
「別な大師や理事に聞けば?」
「受け入れる義務は一切ありませんわ。規則に明記されています。今の風潮では、女子学生は受け入れてもらうと思うのですか?」
「羽空理事はどうだろう?」
「味方だと思えませんわ。羽空理事は、手続きをきちんと守ることを確かに大事にしているらしいですが、特別に私たちを手伝うとは言えないでしょう。」
「そっか。つまり、誰一人も椿堂から卒業しなかったら、学歴不振で廃堂にするわけ?」
「その通りですわ。」
「華多離菜はパニックしていないな。抜け道を考えてるだろう?」
「まあ、そうですわ。言いましたよね。条件はまだ規則に載っていることです。その基準を満たせば、卒業します。そして、昨年度までの免除はもう受けていますので、今年度の分だけで充分です。」
「条件は何?龍を殺すなど?」
「違いますわ!600年前には、本気で卒業の基準としましたでしょう。冒険物は入っていません。教典の講読を規定の回数で聞くこと、そして定型の議論を匠の前で完成することです。」
「匠って?つまり、恵純理英先生でもいいのか?」
「恵純理英先生でもいいですわ。条件満たせば、評議員会には受理する義務があります。その時点で、羽空理事は強い味方になりますわ。」
「質素な食べ物、性生活なし、そして600年前の勉強か。楽しみにしていないな。」
「私たちのせいでこの窮地に陥っていますわ。私たちで解決しなければなりません。」