外国人観光客の正式参拝の案内

神道の心は、神を祀ることである。神道をわかってもらうために、そのような行動を見せなければならない。方法の一つは、正式参拝にさせることだろう。しかし、外国人観光客は、そのような行動の存在さえわからない。紹介して、案内する必要がある。

まず述べておかなければならないことは、観光客の服装に気にしないことだ。正式参拝を予定して出かけたことは少ないし、日本には正服は持っていない可能性も高いのだ。もしかして、服の上で羽織る浄衣を用意するのは良いだろうが、短パンなどを許さないと、この方針には意味はない。もちろん、案内で「普段は、正服で昇殿参拝をする」と指摘しても良い。同じように、初穂料のための封筒を用意した方が良い。

案内で、ご祈祷の目的を説明する。家内安全、旅行安全、学業成就などの目的を簡単に説明して、その神社の特に利益になる目的を指摘する。外国人観光客は、天神は学業の神様であることを知らないのはいうまでもない。そして、ご祈祷の内容も説明する。修祓を受けて、靴を脱いで昇殿して、祝詞奏上、玉串奉奠の順と作法を紹介しなければならない。日本語での口頭の指導は無効だから、書面で説明するしかない。神社によって、初穂料を高くすれば巫女舞を奉納することもあるので、その趣旨も書いた方が良い。巫女舞を見ることも、神道の体験の重要な要素である。

お札とお下がりだが、観光客は海外まで持ち帰ることになるので、お酒を避けた方が良いし、慣れていない鰹節も避けた方が良いかもしれない。その場で食べる饅頭やお神酒を提供すれば良いだろう。もちろん、お酒を飲まない人もいるし、アレルギーの人もいるので、材料の説明も用意しなければならない。お札は、小さい方が良い。初穂料は高額だったら、参拝者には選択してもらったら良かろう。多くの場合、持ちやすい小さいお札を選ぶと思われるが、結論ありきにするべからず。

一方、お札を渡せば、原則として祀ってもらわなければならない。不要なお土産として捨てられたら、それは好ましくない。だから、選択肢を提供する場合、お札は家庭祭祀のためのものであることを説明する案内札があると良かろう。その他、お守りか縁起物を提供することも可能である。縁起物が飾られてから捨てられても、御霊代ではないので、それほど問題にならないと思われる。お守りも、古くなるまで身につけたら良い。

普通に、ご祈祷を受ける前にちょっと待つことになるので、その間お下がりや授与品についての説明を読ませて、ご祈祷が終了したらスムーズに進むように工夫した方が良いと思われる。

ただの文化体験としてご祈祷を臨む人もいると思われるが、それで良いと私は思う。体験はないと、興味をいただけないからだ。作法を尊重すれば、参列させても良いのではないか。


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