共産党に続いて、民進党の公約を読んだ。やはり、野党四党共闘は実現されている印象は強い。つまり、共産党の公約との違いは少ない。
目立つのは、2点だろう。一つは、民進党は安全保障環境に対して、共産党より現実的であることだろう。武力は少なくとも抑制には必要であることを認める。もちろん、憲法第9条を厳守することも明記しているが、憲法を改正するべきであるとも言っている。私も、そう思う。自民党の草案に賛成できないが(この点は後で出てくると思うが)改正が好ましいところはある。共産党は、この点でちょっと理想主義的である。
もう一つは、民進党は議席数を削減することを目指すが、共産党はそれに反対する。公約で、民進党はこの議席削減を「身を切る改革」と名付けているが、執行部がこぞって国会を辞任しない限り、そうではない。むしろ、政党の他の議員を辞めさせることは、身を切るというより、自分の権力を固めるに他ならない。私は、議席削減に反対している。日本の国会議員は少ない方で(人口はイギリスのば2倍で、議員数はイギリスの半分である)、さらに少なくすれば国民の意見を政府に届ける役割には支障が出るのではないかと思う。一方、すべてを比例代表にすることもよくないと思う。民主主義の主要な役割は、政権落としであるが、比例制の国会では、それは無理に近い。結果は、政党の間の交渉によって決まるからだ。
それ以外、共産党と民進党の比重が違う。共産党は富裕層の増税に比重を置くが、民進党は地方へのバラマキをより表面的にする。
財源に楽観的であることには変わりはない。
このように見たら、共産党と民進党を区別する点はあまりないだろう。「共産党」という名称にためらうべきではないだろう。ただし、重要な違いはある。
次回の参議院選挙まで、民進党が存続するのは確かではない。分裂と合併は繰り返されているので、今の政党がまだ存在するとは限らない。民進党は大きな変更をせずに3年間続いたら別だが、今の時点は、揺るぎない存在であるとは到底言えない。
実践的な結果として、比例票を民進党に投じない方が良いと感じる。比例票は政党への票だから、政党の存続は怪しかったら、投じないのは常識だろう。一方、選挙区の候補への一票は、その人への応援である。その人は、政党がなくなっても、大きく変わるとは思えない。そして、旧民主党などを見たら、政策にはそれほど大きな変化は見えないので、個人の議員は一票のための信頼性はあると言える。それでも、比例票は、民進党に投じないと思っている。