国会で、今年度の第二次補正予算案が来週の11日に可決される見通しだ。その後で、政府はTPPの批准を進めるつもりだそうだが、私はそれは間違いであると思う。TPPの前に、パリ協定を批准するべきである。理由を考えよう。
まずは、パリ協定は気候変動対策の急務の問題と取り組む国際協定である。気候変動の問題と真剣かつ速やかに取り組まないと、自由貿易が意味を失ってしまう。そして、気候変動対策はもうかなり遅れている。パリ協定で掲げられている1.5度の温暖化はもはや無理であるのではないかと専門家は考えているが、特に太平洋の小さな島国にとって死活問題なので精一杯目指すべきだろう。日本への影響も、猛暑日の頻出、台風の強力化、大雨洪水の深刻化などはもう出現しているので、このような被害と向き合うつもりであれば、時間は今。
そして、昨日パリ協定の発効条件が満たされた。その結果、来月の4日に発行するそうだ。日本が乗り遅れたら、国際的な位置が落ちるし、日本の高級の技術を輸出するチャンスもなくなるだろう。理想的なことは、発行の条件に貢献することだったが、それはもう巻き返しのつかないことだから、少なくとも発行される前に批准するべきである。
一方、TPPはまだアメリカ議会で締結していないし、大統領候補が同意する点は非常に少ないが、TPPを廃止することはその一つである。日本がTPPを早速締結しても、アメリカの決断に影響を与えるとは到底思えないだろう。つまり、TPPの締結を次の国会まで延期しても、影響は一切ない。特にパリー協定を優先するために延期すれば、少なくともオバマ大統領は共感するだろう。「パリ協定は今の最大な責務である」と言う旨を述べたことがあるので、TPPより重要であるのは明白である。
パリ協定の審議もTPPの審議より早いだろう。TPPに断固反対する議員は少なくないし、民進党などは反対するが、パリ協定に断固反対する政治家は少ないようだ。もしかして一週間程度で可決できるのではないか。そうすれば、TPPと取り組む余裕が残るだろう。
確かに、パリ協定に一週間さえ使えばTPPは閉会までに可決できないと予想されたかもしれない。その場合、TPPを来年の国会に回した方が良いと思う。大統領選挙の結果は明らかになるし、アメリカ議会の態度もわかってくるだろう。それで、議会で適切に決めることはできる。今の状態なら、何を決めるかすらわからない。
残念ながら、私は国会運営に影響を持っていないけれども。